これが分かれば名人編
まずは道具
- 細く,軽く,短く極限まで無駄,贅肉をそり落とした道具をめざそう。極めればロッドドホルダーのアッタチメントでさえもアタリをさえぎる。
カレイはオモリで寄せる
- こづき釣りの効果は、オモリが上げる砂煙にカレイが寄ってくる、という説がある。しかし、泥系の海底では確かに砂煙は上がるが、砂系の海底ではほんの僅かしか砂煙は上がらない。よって、砂煙説では説明がつかない事がある。では何かというと、カレイは、オモリの動きそのものに敏感に反応するものと考えられる。だから、カレイの興味を引く為にはオモリを大きく動かすことが効果的である。つまり、カレイを寄せるには、こづきそのものを大きくする必要がある。
食わせの技
- 大きなこづきだけでは、餌が踊り過ぎるために、カレイを寄せることは出来ても餌を食わせることは難しい。餌を見つけたカレイはきっと仕掛けのそばにじっと動かず目だけで餌を追っているに違いない。釣り上げる為にはカレイに餌を食う間を与えなければならない。
- 食わせるためには、小さなこづきを行い、オモリは動いているが餌は動かない、という状態が望ましい。完全にオモリを止めしまうとせっかく寄せたカレイを隣の人に持っていかれる可能性があるし、仕掛けを底にべたーっと這わせてしまうことでアタリがでずらくなる。また、こづき釣りそのものの流れを止めてしまうことになる。ここでカレイが食わないと一からのやり直しとなってしまい連続性が無くなる。
- しかし、場合によっては完全にオモリを止めないと食わないこともあるので要注意。アタリがでやすいよう、この時もみち糸は張っておくこと。
ワンパターンの釣り方では通用しない
- 海は生きている。毎日毎日天候が変われば、潮も変わる、水温も変わる、水色も変わる、一年365日違う表情を見せてくれる。一日の中でも カレイの食いと追いの加減は目まぐるしく変わる。最適な釣り方を少しでも早く見つける事が非常に重要になる。
- 季節によってカレイが捕食する餌も変わっています。メロード,イソメ類,甲殻類など,今現在カレイが何の餌を追っているかによっても釣り方を変える必要があります。
- ここで、カレイの食いと追い、という言葉を使ったが、カレイの食いは悪くないが追いが悪い、ということがある。食いは良好だが上まで餌を追ってこない状態。こんな時は最初に寄せの為の大きなこづきを入れたら、後は出来るだけ底を大きく離さない釣り方が効果的。
- 食いも追いもいい時は、大きなこづきだけで食ってしまう。大きなこづきだけの釣りには無駄がない。常に仕掛けを張った状態にしてしておけるのでほんの小さなアタリも見逃すことがないし、同じ釣り方で寄せも食わせも合わせまでもが一緒に出来てしまうこともある。また、仕掛けを大きく踊らせる事により逃げまどう餌を演出する事が出来る為、餌も節約できる。一本も引っかけてやればOKである。
- 食いも追いも悪い時。寄せのこづきも小さめ、ゆっくりめ。食わせも出来るだけ底を離さない。場合によっては、完全にオモリを止めてアタリを待つことも必要だ。この時もみち糸は張った状態にしておくこと。
- 大きいこづき、小さなこづき、ゆっくりしたこづき、速いコヅキなど様々なこづきのバリエーションを体得しそれを組み合わせ、そして食わせの間を考えながらその時々の状態に対処した釣り方を組み立てていく。難しいけれど、これこそがカレイ釣り名人への道である。
仕掛けによる釣り方、釣り方による仕掛け
- 仕掛けの全長に合わせたこづきの大きさ。逆にこづきの大きさに合わせた仕掛けの全長。
- 仕掛けの重さの違いによっても、仕掛けを持ち上げて海底に戻る時間を考えたこづきのインターバルを行う必要がある。
- アタリがきたら即合わせ
- 合わせに早すぎはない。カレイの大小にかかわらず、もう少し食わせてから、などという気使いは無用。アタったら迷わず0.01秒で合わせる。
- ちょこっと仕掛けが重く なった,など違和感を感じたらすぐ合わせ入れてみましょう。それがカレイのアタリである場合も多いよ。異次元の世界の入り口です。頭に浮かんだ?からすべてが始まる。(もっと深い?にはまることが多いけど)
ダブル、トリプル掛け
- 一枚のカレイが針に掛かったとき、水中に大きな変化が生じる。ここに何かあるぞ、餌かもしれないぞ、と他のカレイが寄ってくる、こづく以上に集魚効果がある。ここにダブル、トリプル掛けのチャンスがある。
- しかし、ガッチリ合わせたはずのカレイに逃げられたり、一枚のカレイに二つの針の餌を飲まれていたり、と多くの無駄を覚悟しなければならない。
- 無駄の少ない釣り方として、一枚目を合わせ、合わせた時の腕をそのまま止めて5秒程待つ、その間に次のカレイのアタリがでることもある。
仕掛けには、釣り人の主義、主張がある
- 短い仕掛けは、強いアタリを楽しみたい人、または微妙な仕掛けの変化を感じ取りたい人。
- 長い仕掛けは、ウネリの大きい日にも強く、食わせを重視する人。
- シンプルな仕掛けは、抵抗のないダイレクトなアタリを取りたい人。
- 重い仕掛けは、あまり底を離さず釣りたい人、また状況によっては良型を狙いたい人。
- みき糸の太い仕掛けは、仕掛けの張りを重視する人。
- 細い仕掛けは、自然な餌の動きを重視する人。
- 発光玉、シモリ玉、ビーズ類によるアピールにこだわりを持つ人。
- 等々、自分の釣りスタイルに合わせた仕掛けが不可欠であり、また、仕掛けに釣り方の方を柔軟に合わせることも必要である。
その他の名人技
- 一日の釣行の中で、ただ漠然と釣るのではなく、テーマを決めて取り組む。
- 海底のカレイの様子を、頭の中でイメージする事も大切。
- オモリの形は、砂煙を上げることよりもスムーズな動きが要求されるのだから、抵抗の極力少ないものが良い。
- 釣っているうちに針も刺さりが悪くなる、一日に最低一回は取替える。
- 「きき」は、状況によっては有効な誘いの技ではある。けれど、カレイが食っているかいないかの確認作業であることが多い。アタリのほとんどが「きき」によって生じる場合は,一度竿、リール、糸など道具を疑ってみた方がいい,アタリのとれない道具である可能性がある。
- 玉類、ビーズ類は、集魚効果を否定するものではないが、あまり多く付けてしまうと無駄に抵抗の多い仕掛けになってしまう、抵抗が多いということは、微妙な アタリが出ずらくなってしまう、という事である。極力抵抗にならず、最大の集魚効果を持つ色と形のものを選び、また、みき糸やサルカンなどとの浮き沈みの重さのバランスも考え合わせる事も重要である。
- 天秤は、仕掛けの敏感度を追い求めれば無いに越したことはない。しかし、30-60mもの水深を釣るわけで、最低限のものが必要になる。絡みにくく抵抗の少ないものが条件になり、遊動式の方がアタリがダイレクトで、遊動式の中でも絡みにくいパイプ式のものが今現在BESTと思われる。しかし、市販のものはパイプの長さが中途半端なものが多く、抵抗を減らす為にも絡まない為にも適当な長さに切って使用することをお勧めします。
- 追いの悪い時、ききや、大きなこづきばかりを繰り返すと、カレイが餌を食う[間]が無くなってしまうので注意。